個人事業主向け無料請求書作成ソフトおすすめ4選|一人の請求業務をラクにするならどれ?
毎月、前月のExcelファイルをコピーして、日付や金額を書き換え、PDFに変換してメールに添付する。
一人で仕事をしている個人事業主にとって、こうした請求業務は一つひとつは小さくても、毎月繰り返すと意外に時間を取られます。
無料の請求書作成ソフトを使えば、請求書を作るだけでなく、メール送信や定期作成、データ保存、会計ソフトとの連携、サービスによってはオンライン決済まで効率化できます。
この記事では、無料から利用できるfreee請求書・Misoca・INVOY・Square請求書の4サービスを比較します。
単純に「機能が多い順」でランキングするのではなく、「一人で事業を回している個人事業主の作業を、どこまで減らせるか」という視点から比較します。
料金・機能確認日:2026年8月28日
※料金・機能・無料プランの条件は変更される場合があります。利用開始前には必ず各サービスの公式サイトで最新情報をご確認ください。
結論|個人事業主向け無料請求書作成ソフト4選
先に結論をまとめると、4サービスはそれぞれ得意分野が違います。
| こんな人 | 第一候補 | 無料利用で特に確認したい点 |
|---|---|---|
| freeeを中心に経理までまとめたい | freee請求書 | 定期請求・自動作成は無料プラン1件まで |
| 月10通以内で請求したい | Misoca | 無料プランは請求書月10通まで |
| まず請求業務をシンプルにしたい | INVOY | 口座自動連携等はStandard |
| カード決済までつなげたい | Square請求書 | 決済時に手数料が発生 |
つまり、「無料かどうか」だけではなく、無料で自分の作業をどこまで減らせるかを見るのが重要です。
無料の請求書作成ソフトを選ぶ5つのポイント
1.無料で何通まで請求書を作れるか
同じ「無料プラン」でも条件は異なります。
たとえばMisocaは無料プランで月10通まで。一方、freee請求書は請求書の発行枚数自体は無制限です。Square請求書もデジタル請求書・見積もり・定期送信請求書の送信数に上限はありません。
ただし、枚数だけを比較すればよいわけではありません。freee請求書では、無料プランの定期請求・自動作成が1件までなど、自動化機能側に制限があります。
そのため、毎月何通発行するかに加えて、毎月同じ取引先へ自動で請求したいかまで確認しておきましょう。
2.請求書を作った後の作業まで減らせるか
請求業務は、請求書を作成したら終わりではありません。
一般的には、作成 → 送付 → 支払待ち → 入金確認 → 会計処理と続きます。
そのため、作成機能だけではなく、定期請求、メール送信、支払状況の確認、会計ソフト連携、オンライン決済など、自分が普段手作業で行っている工程まで確認するのがおすすめです。
たとえばSquare請求書では、支払状況をリアルタイムで確認でき、自動リマインダーも設定できます。
3.インボイス制度・電子帳簿保存法への対応を確認する
今回紹介する4サービスは、それぞれインボイス制度への対応機能を案内しています。
freee請求書では登録番号の設定や適格請求書の作成に対応し、MisocaやINVOYでもインボイス制度に対応した請求書を作成できます。Square請求書では、適格請求書発行事業者の登録番号をPDF形式の請求書に表示できます。
ただし、「ソフトがインボイス制度に対応している」ことと、「そのソフトを使えば誰でも適格請求書を発行できる」ことは同じではありません。
適格請求書を交付するには、原則として事業者自身が適格請求書発行事業者として登録を受けている必要があります。
※請求書作成ソフトを利用するだけで、適格請求書発行事業者として登録されるわけではありません。登録の要否や制度の詳細は、国税庁のインボイス制度特設サイトをご確認ください。
電子帳簿保存法についても確認が必要です。
電子メールやインターネットなどを通じて請求書等を電子データでやり取りした場合は、電子取引データについて一定の保存要件があります。
各サービスには電子データの保存を支援する機能がありますが、「サービスを使えば利用者側の対応がすべて自動的に完了する」と考えない方が安全です。
利用するサービスの保存方法と、自分の取引で必要になる対応の両方を確認しましょう。詳しくは国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトで確認できます。
4.スマホでどこまでできるか
外出の多い個人事業主なら、スマートフォンでどこまで操作できるかも確認しておきたいポイントです。
freee請求書はスマートフォンアプリがあり、請求書の作成・編集・送付までできます。
MisocaもiPhone・Android向けの専用アプリを提供しており、見積書・納品書・請求書の作成やメール送信などが可能です。
INVOYはスマートフォンやタブレットから利用できますが、専用のスマートフォンアプリは提供されていません。
Square請求書は、対応するモバイル端末からSquare請求書アプリなどを利用して、請求書の作成・送信・管理ができます。
「スマホ対応」だけで判断せず、専用アプリの有無や、スマホだけでどこまで作業を完結できるかまで確認しましょう。
5.会計ソフトや決済までつなげられるか
「会計ソフト連携」と書かれていても、実際の連携方法はサービスによって異なります。
たとえばMisocaは、弥生会計・やよいの青色申告・やよいの白色申告に加え、マネーフォワード クラウド会計・確定申告やfreeeとの連携を案内しています。
一方、INVOYでは、freee会計・マネーフォワード・弥生会計向けのCSVデータを出力し、各会計ソフトへ取り込む方法が案内されています。
つまり、「会計ソフトと連携できる」と書かれていても、直接連携とCSVによるデータ移行は同じではありません。
Square請求書は、会計処理だけでなく、請求書からオンライン決済までつなげられることが大きな特徴です。
顧客は受け取った請求書からオンラインでカード決済を行えるため、「請求書を送る」だけでなく「代金を回収する」ところまで一つの流れにできます。
「連携できる・できない」だけではなく、「どのようにつながるのか」「自分が今手作業で行っている入力や入金確認を減らせるのか」まで確認して選びましょう。
個人事業主におすすめの無料請求書作成ソフト4選
ここからは、freee請求書・Misoca・INVOY・Square請求書の4サービスについて、無料プランでできること、減らせそうな作業、利用前に確認したい注意点をそれぞれ詳しく見ていきます。
freee請求書|freeeを中心に経理までまとめたい人に
freee請求書には、初期費用・基本料金0円の無料プランがあります。
無料プランでは請求書・見積書・納品書・発注書・領収書の個別発行に対応しており、請求書の発行枚数自体は無制限です。
スマートフォンアプリも提供されており、PCとスマホで同じデータを確認しながら、スマホから請求書の作成・編集・送付ができます。
freee請求書で減らせそうな作業
Excelの場合、前月ファイルを探す → コピー → 内容を修正 → PDF化 → メールへ添付といった工程が発生しがちです。
freee請求書なら、帳票をサービス上で作成・保存し、そのまま送付までつなげられます。
また、freee請求書とfreee会計を連携させることで、請求書情報を会計側へつなげる機能も提供されています。
freee請求書の注意点
無料プランですべての自動化機能が無制限になるわけではありません。
2026年8月28日時点の料金表では、無料プランで利用できる定期請求・自動作成は1件までです。
また、一括発行・一括送付、自動での入金明細取得、自動入金消込、自動仕訳作成は無料プランでは利用できません。
そのため、請求書の発行・送付を中心に使いたい場合は無料プランが候補になりますが、大量発行や高度な自動化まで行いたい場合は上位プランも比較しましょう。
向いている人:freeeを利用している、または将来的に会計までfreeeへまとめたい個人事業主
Misoca|月10通以内なら無料プランが有力
Misocaは弥生が提供するクラウド型の請求書作成サービスです。
無料プランは基本料金0円で、請求書は月10通まで作成できます。
見積書・納品書・領収書は無制限で、取引先・品目登録、請求書の自動作成、CSVアップロード、会計サービス連携、メール送付、PDFダウンロードも無料プランの対象です。
Misocaで減らせそうな作業
毎月同じ取引先へ請求する場合は、自動作成機能を利用できます。
作成した帳票はメールで送付でき、会計サービスへデータを連携することもできます。
スマートフォンの専用アプリもあるため、外出先から請求書の作成・送付まで行いたい人にも向いています。
Misocaの注意点
無料プランでは、請求書の作成上限が1か月10通です。
また、Webから無料プランを利用したい場合、公式料金ページではまず無料体験プランへ申し込み、無料体験期間終了後に無料プランへ切り替わる流れが案内されています。
利用規約上も、新規申込み時に直接無料プラン契約を締結できない場合があるため、申込み方法は公式ページの最新案内を確認してください。
なお、スマートフォンアプリからは無料プランへの登録方法も案内されています。
電子帳簿保存法については、Misocaから発行する請求書等の控えを「スマート証憑管理」へ保存する仕組みがあり、同サービスは一定の保存要件への対応が案内されています。
向いている人:毎月の請求書が10通以内で、見積書や納品書もまとめて管理したい個人事業主
INVOY|無料で請求業務をシンプルに始めたい人に
INVOYにはずっと0円のFreeプランがあります。
公式の料金比較ではFreeプランでも、請求書の作成・発行、自動作成予約、メール共有、請求書の自動データ化、クラウド管理、カード払い、口座CSVアップロードなどを利用できます。
有料のStandardプランは、2026年8月28日時点で月980円(税込)または年9,800円(税込)です。口座自動連携や資金繰り表などが追加されます。
INVOYで減らせそうな作業
INVOYでは、請求書を作成してメールで共有できるほか、毎月決まった請求書を自動作成する予約機能も利用できます。
Excelなどで毎月請求書を作り直している場合は、前月のファイルを探す → コピーする → 日付や金額を修正する → PDF化する → メールに添付するといった作業を減らせます。
また、受け取った請求書をデータ化してクラウド上で管理できるため、請求書を探したり、内容を手入力したりする作業の削減にもつながります。
INVOYの注意点
無料のFreeプランでも請求書作成や自動作成予約などを利用できますが、銀行口座との自動連携はStandardプランの機能です。
そのため、入出金データを銀行口座から自動で取り込みたい場合は、無料プランだけでは完結しません。
また、無料プランと有料プランでは利用できる機能が異なるため、将来的に口座連携や資金繰り管理まで行いたい場合は、Standardプランとの違いも確認しておきましょう。
向いている人:まず無料で請求業務を始めたい、シンプルに請求書作成・送付を効率化したい個人事業主
Square請求書|オンライン決済までつなげたい人に
Square請求書は、請求書の作成・送信から支払いの受付までをオンラインでつなげられる請求書作成サービスです。
無料プランでは、請求書や見積もりの作成・送信、定期送信、支払状況の確認、自動リマインダーなどを利用できます。
請求書にオンライン決済の方法を設定できるため、顧客は受け取った請求書から支払いを行えます。
Square請求書で減らせそうな作業
Square請求書では、請求書をメールや共有リンクで送り、支払状況を同じ画面で確認できます。
未払いの請求書には自動リマインダーを設定できるため、支払期限のたびに取引先へ個別に連絡する作業を減らせます。
定期送信請求書を利用すれば、毎月同じ取引先へ請求書を作成・送信する作業も自動化しやすくなります。
Square請求書の注意点
請求書・見積もり・定期送信請求書は無料で何件でも送信できますが、オンライン決済で支払いを受け付けた場合は決済手数料が発生します。
2026年8月28日時点では、Square請求書で受け付ける通常のオンラインカード決済は3.25%、自動継続課金やカード情報を手入力する決済は3.75%と案内されています。決済方法や契約条件によって異なる場合があるため、利用前に公式料金ページをご確認ください。
また、請求書の一括送信、複数パターンの見積もり、承認済み見積もりから請求書への自動変換など、一部の高度な機能は有料のSquare 請求書プラスで提供されています。
向いている人:請求書の作成・送信だけでなく、カード決済による代金回収や支払状況の確認まで一つのサービスで行いたい個人事業主
4サービスで迷ったときの選び方
4サービスの中から一つを選ぶときは、機能数の多さよりも、現在使っている会計ソフトや毎月の請求件数、代金の回収方法に合わせることが大切です。
すでにfreeeを利用している、または会計まで同じサービスへまとめたい場合はfreee請求書が候補になります。請求書が月10通以内で、見積書や納品書も扱いたい場合はMisocaを比較しやすいでしょう。
まず無料でシンプルに請求書作成・送付を始めたい場合はINVOY、請求書からカード決済までつなげたい場合はSquare請求書が候補です。
最初からすべての機能を求めるのではなく、毎月繰り返している作業を一つ減らせるサービスから試すと選びやすくなります。
無料の請求書作成ソフトを導入する前に確認したいこと
現在の請求件数と作業手順を書き出す
まず、毎月の請求書発行数と、作成・送付・入金確認・会計入力にかかっている作業を簡単に書き出しましょう。どの工程に時間がかかっているかが分かると、必要な機能を判断しやすくなります。
無料プランの範囲で実際の請求書を試作する
候補を絞ったら、取引先へ送信する前に、自分宛てのテスト用請求書を作成して表示や操作手順を確認しましょう。屋号、登録番号、振込先、支払期限、税率ごとの金額など、実際の運用に必要な項目を入力できるか確認します。
有料機能と決済手数料を分けて考える
月額料金が無料でも、利用する機能や決済方法によって費用が発生する場合があります。有料プランの料金と、支払いを受け付けるたびに発生する決済手数料は分けて確認してください。
無料の請求書作成ソフトに関するよくある質問
無料プランだけでもインボイス制度に対応した請求書を作れますか?
各サービスはインボイス制度に対応する機能を案内していますが、利用できる範囲や設定方法は異なります。また、適格請求書を交付するには、原則として事業者自身が適格請求書発行事業者として登録を受ける必要があります。制度の詳細は国税庁のインボイス制度特設サイト、操作方法は各サービスの最新案内をご確認ください。
請求書作成ソフトを使えば確定申告まで完了しますか?
請求書作成機能だけで確定申告まで完了するとは限りません。会計ソフトとの連携方法も、直接連携とCSV出力・取込では作業量が異なります。確定申告まで効率化したい場合は、現在利用している会計ソフトとのつながり方を確認しましょう。
無料プランから有料プランへ切り替える目安はありますか?
請求件数が無料枠を超えたときや、一括送付、自動入金消込、口座自動連携など、無料プランにない機能を使うことで毎月の作業時間を大きく減らせるときが目安です。月額料金だけでなく、削減できる作業時間とあわせて判断しましょう。
まとめ|無料かどうかより、減らせる作業で選ぶ
無料の請求書作成ソフトは、請求書の作成だけでなく、送付、定期作成、保存、会計ソフトへのデータ移行、オンライン決済などにも役立ちます。
ただし、無料プランの上限や自動化できる範囲、会計ソフトとの連携方法、決済手数料はサービスごとに異なります。
freeeとの連携を重視するならfreee請求書、月10通以内ならMisoca、シンプルに無料で始めるならINVOY、カード決済までつなげるならSquare請求書を軸に比較してみてください。
まずは現在の請求業務で最も時間がかかっている作業を一つ決め、その作業を減らせる無料プランから試してみましょう。